2008-10-28

「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」展を鑑賞

滑らかでホイップクリームのようなとろける色彩。だけどナイフのようにエッジの効いた描線。ハンマースホイ展,行ってよかったです。

ハンマースホイというのはデンマークの画家で最近になって注目されてきた画家だそうです。その特徴は執拗に誰もいない部屋を描くこと。人がいたとしても背を向けていて表情は読み取れません。
三人の女性を描いた肖像画もあるんですが,三人ともバラバラの方向を向いていてお互いに意思の疎通がなさそうな妙な雰囲気でした。
風景画もたくさんあるんですが,本当は人がたくさんいるはずの街中の絵でも無人に描いています。なんというか,無人の静けさ,寂しさを愛した人なのではないかと思います。



なぜこの展覧会に行ったかというと弐代目・青い日記帳さんの記事を読んで,自分と似た感性を持った画家なのではないかと思ったからです。
私の田舎の周囲はひたすらまっ平らで,誰もいない風景が広がっています。例えば下みたいな。



すべて犬の散歩に行ったときに適当に取ったものです。私はこういう何もない実家の周りの風景が好きで,帰省するとよく犬の散歩をします。な~んか街中に普段住んでると癒される気がするんですよね~。
そのせいか怖い部屋として2ch系ブログで紹介されていた「ゴム部屋」も心休まる部屋のように見えてしまうw



ハンマースホイには「静けさの美学」「何もないことの美学」のようなものを感じました。
でもそれと同時に,誰もいない部屋を見せられることで,そこに暮らしている人の生活を想像してしまいます。置かれている品物が少なければ少ないほど想像の余地が生まれる。そういった「ドラマを想像させる装置」としてもハンマースホイは誰もいない部屋を描いたのかな?と思いました。


最後に買ったお土産の写真(数寄ノートにキャプチャした後だけど)。

割と美味しいチョコレートでした。


「画家の妹の肖像」はキメの細かいクリームのような塗りでとても魅了されました。最初のほうに飾ってあったはずです(何度アップしても写真が逆さになる。なぜよBlogger!)

部屋の絵です。ドアのほうの絵がお気に入り。

実家の近所と似た雰囲気で和みます。



ということでハンマースホイ展,上野西洋美術館で12月7日までやってます。お勧めです!


【参考リンク】
ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情  Vilhelm Hammershøi:The Poetry of Silence
 なかなか良くできた公式サイトです。
弐代目・青い日記帳  | ヴィルヘルム・ハンマースホイ展へ急げ!
 紹介記事ですが,ここのところを読んでいくことを決めました。
それでは、何故イタリアの風景を描こうとしなかったのか?それは弟宛てに書いた手紙にヒントが隠されているそうです。「自分はこの教会堂を見つけた。この教会堂はのがれている。



(追記:2008-11-08)
写真がひっくり返っちゃうのはJPEGのEXIF情報の画像方向が間違ってたからみたいです
こんな風に対応してみました。
サルノオボエガキ: SO906iCSで撮った写真のEXIF情報と便利ツール

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