2008-02-26

レースは人生の縮図,映画「OVERCOMING」


OVERCOMING -ツール・ド・フランス 激闘の真実-


2004年のツール・ド・フランスで,デンマークのCSCチームに密着したドキュメント映画です。凄い内容でした!

レースの最中にいろんなことが起こります。レーサー仲間が薬物乱用で亡くなったり,母親がガンであることを知らされたり。それでもレースは続いていく。

何というか,ツールに出場するような自転車レーサーはすごく凝縮した時間を生きている特殊な人間たちだと思います。23日間のレースの間に普通の人が人生で経験するさまざまなことを同時に受け止めなきゃならない。それは谷底に落っこちるような最悪の出来事だったり,自分ではどうにもできないやるせない出来事だったりします。
でもだからこそ,レースの勝利は最高の光を輝かせる。

ちなみにツールのTV視聴者は20億人だそうです。地球上にいる人類の3分の1が見ている計算!

人生を考える上でとても良い映画でした。おすすめです!

2008-02-25

村上龍「ストレンジ・デイズ」

「マーロン・ブランドはいろんなことをやっていて,演技とか映画とかは自分の人生のほんの一部分だって言ってる,大したことじゃないって言い方もしてて,それが嘘っぽくない,でもうらやましいのはね,そういうことを,つまりインディアンのためにね,戦うってことを素直にすぐやるんだよ,(中略) マーロン・ブランドはそのことにものすごく自然に怒りを表すの,私がうらやましいのはそこだよ,おかしい,変だ,そういうのは許せない,そうやって実際に行動に移していくの,タヒチの島を買ったときでも,映画の撮影でタヒチに行って,そのあたりの景色や雰囲気や人々が好きになったって言って,すぐに,島を,買っちゃうんだよ,まるで・・・・・・」

(中略)

「ああいうふうに,マーロン・ブランドみたいに生きていない自分にすごく腹が立った,マーロン・ブランドは特別なんだろうかって考えたよ,なぜ自分はマーロン・ブランドみたいに子供のような欲求を持って,それをすぐに実現させながら生きていないんだろうって,考えたんだよ」

(中略)

島が欲しい,と思ったとするよね,あるいはインディアンを助けたい,と思ったとします,さて問題,それを実現するためにもっともエネルギーとなるのは何でしょう? じゃあ,聞き方を変えるけど,人間が本当に必死でがんばる時ってどんな時でしょう?」
「必死,か」
「必死って,必ず死ぬって書くんだよ,死ぬ気でがんばるってよく言うけどわたしはそれは違うと思う,いい? もし,島を買うことができない時は,それは自分にとって死と同じだと思うことなんだよ,もっと言っちゃえば,島を買いたいと思ったときに,島を買おうとしない自分をものすごく憎むってことだよ,そんな自分は絶対に許せないって強く思うことじゃないかな,死ぬ気でがんばるっていうのはイージーだと思うな,がんばってできなかったら死んでごめんなさいすればいいんだもん,何かを実現させたくて,それで実現できない自分を絶対に許せないっていう風に考えると,死んだりできないよ」
 その通りだ,と反町は言った。
「死ぬ気でがんばろうなんて考えないで,まずできることは何だろうと,そう考えると思うんじゃないかな,私は出会ってからの,今までのソリマチさんのことを考えてみたんだ,ソリマチさんはそうしてるよ,そうしてると思った」
(中略)
 わかる,と反町は答えた。ジュンコは非常にわかりやすい正確な言い方をした。何かをやりたいという欲望を肯定する,それが実現できない,または実現しようとしない自分を絶対に許さない,実現のために,今できることは何かを考える,そしてそれをすぐにやり始める・・・・・・

村上龍「ストレンジ・デイズ」より引用、強調引用者)


私は村上龍氏の作品がかなり好きです。そのなかでも一番好きなのがこの「ストレンジ・デイズ」。はっきり言っちゃうと小説としては筋の流れが迷走気味だと思うけど(村上先生ごめんなさい),引用したような素晴らしいメッセージがちりばめられていてとても感動しました。

引用の一節は,自分が落ち込んだときに必ず読み返す部分です。気分が落ち込んだときはこの「ストレンジ・デイズ」を読み返してます。なんつーか終わり方もすごく好きです。

「必死」と「死ぬ気でがんばる」の違いはとても重要だと思いました。俺も「必死」で何かをがんばるようにしたいと思います。


村上龍「空港にて」

二十代の二人が新婚旅行の楽しさをメールでそれぞれの友人に書き送る。それはごく自然なことだ。初老の女が無表情で連れ合いが喫煙コーナーから戻るのを待つのもごく自然なことだし,孫に焼き殺された老婦人に対してワイドショーの出演者が同情するのも自然だ。だが三十三歳で子持ちでバツイチで風俗で働く女が,地雷で足を失った人のために義足を作りたいと思うのは異常だ。だから誰にも言えなかった。

村上龍「空港にて」より引用)

よく分からないけど,日本という国は自分のことを普通だと思っている人間には心地よい暮らしやすい国だと思います。でも自分のことを普通でないと思っている人間にはとても辛い暮らしにくい国だと思います。「みんなが普通だ」という前提でいろんな物事が決められているから。
村上龍の「空港にて」を読んでそう思いました。

あとこの「空港にて」という短編集は小説の技巧的にも面白かったです。ある一つの情景を丹念に描写する,その隙間に主人公の人生を挟み込んでいく。そうやることである人物の大事なことだけを書くことができる。村上龍氏は「時間を凝縮する手法」と呼んでいたけど,小説を書く上での参考になりました。今度この技法をパクってみる!

まぁ,短編集で薄いし一つごとが短いので,読んでみたらいかがでしょうか。

面白かった漫画

昨日漫画喫茶に行きました。
そこで適当に取った漫画が思いのほか面白かったので紹介!

巨娘
 身長180センチ以上ある男らしい女性の話です。なんつーか主人公が女なのに男前過ぎる!
 あと話しのノリと絵が俺は好きです。とりあえすラチガイガールのトオル萌え!



ナチュン
 ぜんぜんまったく先の読めない漫画でした。現在3巻まで出ていますが先が早く読みたくてたまらない。
 話しは大天才の数学者が「数学論文」として撮ったイルカのムービーから始まります。それを見てなぜか人工知能の理論を閃いてしまった主人公がイルカの生態を研究するために沖縄に行くんですが,なぜか人工知能とはまったく関係のない沖縄の人々の暮らしが描かれます。これがすごく面白い! とりあえずダメ人間漁師のゲンさん萌え!



・金剛番長
 とにかく面白かった! 今の時代に堂々と「番長」を持ってくるのが凄いと思います。主人公の金剛番長のセリフ「あんたにも家族がいるんだろ」「それじゃスジがとおらねえな」がカッコよすぎます。
 東京都の23区にそれぞれ番長がいて,バトルロイヤルを繰り広げるというアイデアもはっちゃけすぎです。
 作者の鈴木央さんは以前ジャンプでも連載してた人でさすがに「漫画」が上手いと思いました。とりあえずはっちゃけすぎな漫画を書いちゃった作者萌え!

2008-02-23

「世界に一つだけの花」問題と二つの道

ここ最近,考えている問題を未整理ですが書いて見ます。
非現実サンクリストバルという自作小説を公開するブログを書いてるんですが,その活動中に抱いた疑問です。


SMAPのヒット曲で「世界に一つだけの花」というものがあります。
うろ覚えで引用してみるとサビは以下のような感じ。

ナンバーワンにならなくてもいい
もともと特別なオンリーワン

世間的にはこれは癒しの歌として受け止められていると思いますが,私にはコミュニケーションの断絶を意味する絶望の歌のように聞こえます(妄想過多かもしれない)。

もし人間が,工場で生産されるアンドロイドのようにまったく同じ姿と心を持っていたとしたら,他人の苦しみ/怒り/喜びなどを100パーセント理解することが出来ます。でも人間はオンリーワンだからこそ,分かり合うことが絶対にできない。

と,いうような状況で何か人に伝えたいことを心にもっている人はどう行動すればよいか?というのが世界に一つだけの花問題です。まとめると以下。


【世界に一つだけの花問題とは】
  1. 人はそれぞれオンリーワンであり,お互いに分かり合うことは絶対に出来ない。
  2. 自分の思いを他人に伝えることはとてつもなく難しいことである。
  3. 自分の思いを伝えたいと切実に考えている人はどういう行動を取ればよいか。


3の行動については二通りの道があると私は考えています。

・Aの道:流通させることを追求する
・Bの道:世界で二つ目の花を見つける努力をする

Aの道は要するにたくさんの人に思いを伝えるためにがんばるってことです。自分の思いを幅広く流通させるために色々なワザを磨く。それは読みやすい文章だったり,きれいな色彩の絵画だったり,聞きやすい音楽だったりします。その過程で自分の思いは変形することもあるでしょうが,それはしょうがないと割り切る。

Bの道はインターネットが存在して初めて可能になった道です。人はみなオンリーワンと書きましたが,もしかしたら自分の花は世界に二つだけの花かもしれない。自分の思いをそのまま書いてブログなどで公開することで世界で二つ目の花を持つ人がサーチエンジン経由で見つけてくれるかもしれない,と期待する道です。多くの人に伝わらなくても,二つ目の花に見つけてもらえることで満足する。

で,俺は小説を書く上でAとBのどっちの道を通れば良いのかなーってのが悩みなんですねぇ。結論は出てません。


【参考】
Amazon.co.jp: 空港にて (文春文庫): 村上 龍: 本
短編集です。表題作の「空港にて」はすごく感動しました。普通ではない思いを抱いてしまった人の動揺と救いが描かれていると思います。
茂木健一郎 クオリア日記:  個別と普遍 (於比較文明学会)
MP3で講演の音声が聴けます。個別と普遍の問題は私の考えている問題とほぼ同じです。でも茂木さんは俺の100歩先を行っているw

Tumblrを非公開にしてみます

ここ最近,ずっとTumblrを我慢してました。とりあえずTumblrが無くても生きていけそうです。

私は「Tumblrを公開にしないのは私自身がフェアではないという思いがある」と前の記事で書きましたが,前言撤回して非公開にしてみます。

いろいろなブログや2chのスレッドなどを読んでみて,Tumblrに関しては法律的・感情的な非常に難しい問題があることが分かりました。でも正直言って難しすぎて,もうついて行けません。なので非公開にします。

というか批判された記事のコメント「非公開にすればいいんじゃ?」という結論にずいぶんと遠回りして行き着いた感じです。いまさらながらコメント者に感謝。

ただしまだ「非公開はフェアじゃないって囁くのよ,私のゴーストが」状態ではあるんですよねぇ。非公開をしばらく続けてみて様子を見てみます。


※「フェアではない」というのは私が私自身に対して思っていることで,Tumblrを非公開にしている他人を非難する意味ではありませんのであしからず。

SO905iCSのブログ投稿機能をテスト

テスト

2008-02-22

SO905iCSに携帯を買い換えた


携帯電話をSO905iCSに買い換えてみました。サイバーショット携帯ってやつです。

自分が最初に買った携帯電話はジョグダイヤルの付いたSO503iでした。それ以来,ジョグダイヤル至上主義者となった私はFOMAでジョグ付きの携帯が出るのを今や遅しと待っていたのでした。

デジカメ機能が強化されているのも購入の決め手になりました。正直,ワンセグはいらない。自分の部屋にいてもテレビ見ないくらいだし。

ということで,まだ買って一日しか経ってないので操作の感想などはあとで書く。

2008-02-13

「優しさ」と「大人」を定義してみる試み

みなさんは「大人になる」ってことをどう定義しているでしょうか? どういうときに「俺って大人なんだな~」って実感がわくのでしょうか?

法律的には20歳になれば成人で大人ですが,ほとんどの人が大人になったという実感のないまま成人式に参加したと思います。

私も自分が大人になったという実感をもてないまま社会人になってしまいました。ところが最近,これが大人になるってことかなという実感をちょっとだけ感じることが出来たので,書いてみます。

端的に言うと,以下のように定義した「優しさ」を持っている人が「大人」です。

【「優しさ」の定義】
  1. 自分が見えている/感じている世界が唯一の世界でないことを認める。
  2. 自分が気持ちを理解できない他人が存在することを認める。
  3. 理解できない他人をまるごと受け止める覚悟を持つ。


自分がこの「優しさ」を持っている「大人」かというと,まだ全然「子ども」です。「優しさ」を持つのは難しい。


この定義は自分が勝手に考えたものなので,いろいろな「優しさ」と「大人」の定義があって良いと思います。

もし時間がありましたら,みなさんの考える「大人」の定義をコメントで教えてください!